ネズミ食いのウツボカズラと、巨大ネズミ

http://www.timesonline.co.uk/tol/news/science/article6799283.ece
-+-+-+-
grren-360_602181a
彼はなめらかなトーンと紳士的な振る舞いで有名だが、ある植物学者たちにとってはサー・デイヴィッド・アッテンボローは明らかに異なるイメージを彷彿とさせる。ネズミを食べる巨大な食虫植物を発見した探検家は、テレビナチュラリストにちなんで名前をつけた。

Nepenthes attenboroughiiと名付けられたウツボカズラの新種はフィリピンの山奥で発見された。それは小型のネズミを捕らえて酵素でゆっくりと分解できるほど大きい。わずか数百の個体がパラワンの一つの山の周りにだけ存在し、育っていると考えられている。その種はジャングルで迷った宣教師から話を聞いた科学者によって発見された。スチュワート・マクファーソンらはサー・デイヴィッドの何十年にもわたる自然の賛美の仕事に対する「感謝の表現」として名付けることを決めた。
(中略)
サー・デイヴィッドはザ・タイムに、彼にちなんで名付けられたことは大変な名誉だと語った。彼はウツボカズラの仲間が「とてもドラマチックな植物だ。私はずっと注目すべき存在だと考えていた。とてもエレガントで、チャーミングだ。」

マクファーソンはその新種がたまにネズミを消化したことがありそうだと答えた。「それは疑いなく巨大だ。私は中で死んだネズミが浮いている半分の大きさのウツボカズラをボルネオで発見したことがある。」

N. attenboroughiiよりも巨大なウツボカズラはNepenthes rajahだが、それがネズミを消化できることは1862年にイギリスの博物学者Spencer St Johnが溺死したネズミ入りの標本をボルネオで発見したときから知られていた。(後略)
-+-+-+-
と言うわけで、最大の種ではなかったようだ。うーむ、便器に見えてしょうがない…。さて同じ東南アジアからは…
-+-+-+-
このネズミは人間を恐れず、長さは82センチもある。世界中のどこで知られているよりも大きい。このネズミはまだ正式に発表されていないが、BBCの番組を撮影していた探検チームによって発見された。これは探検チームによって発見された外来種のひとつだ。他の外来種と同じように、このネズミはBosavi山クレーターの中に生息しており、それ以外にはいないと考えられている。
(中略)
罠で捕らえられたネズミは鼻先からしっぽまで長さを測られ、82cmあった。重さはおよそ1.5kg。シルバーブラウン色の長くて柔らかい毛をまとっている。調査を行った科学者は、火山のクレーターで起こりうる湿気と寒さの中で生き延びる助けになっただろうと考えている。ネズミが発見された場所は1000m以上の高さだ。最初の調査はネズミがMallomys属の一種であることを示唆した。その属には巨大なサイズの他の種も含まれる。学名の同意が得られていない間、仮に「ボサビふわふわネズミ:Bosavi woolly rat」と呼ばれていた。

他の齧歯類は大きなサイズに成長する。たとえば最大の齧歯類はカピバラで、南アメリカの淡水の近くで生活している。体長130cm、重さは最高で65kgにも達する。フィリピンではクラウドラット(Cloud rat)のいくつかの種がすんでいる。しかし本当のネズミ、都会で見られる茶色や黒のネズミを含むRattus属ではほんの少数しか新種に匹敵しない。(後略)

1_4611

http://news.bbc.co.uk/earth/hi/earth_news/newsid_8210000/8210394.stm

-+-+-+-
目が小さいからかな。あまりかわいいようには見えない。しかも少しメタボだ。この大きさは島嶼化なのだろうか。

広告

イヌの家畜化は食用から始まったか?

http://www.nytimes.com/2009/09/08/science/08dogs.html?hpw
-+-+-+-
とてもすばらしい特徴がイヌにはあるが、最初に飼い慣らした人々がどうやってその気高き祖先、オオカミを捕まえ育てたか知るのは難しい。家畜化の理由はイヌの勇敢さが狩りで役立ったからだろうか?あるいは夜間の警備のため?そりを引く頑強さ?それとも寒い夜に心地よいぬくもりを感じたからだろうか?

世界規模の、この手のもので最大の新しい研究は異なる答えを示唆する。それはどんな飼い主でも不快になるに違いない。オオカミは最初に食用として飼い慣らされたかもしれない。ストックホルム王立研究所のPeter Savolainenに率いられた遺伝学者のチームはそう提案した。

世界規模でミトコンドリアDNAをサンプリングし、チームは全地域のすべてのイヌが一つの系統に属しているらしいことを確認した。それは家畜化が一度だけだったことを意味する。オオカミが多くの場所で家畜化されたならそれぞれの地域個体群にたどり着く複数の系統が見つかるはずだ。一度だけの家畜化は中国南部で起きたようだ。そこでイヌは他のどの場所よりも高い遺伝的多様性を示す。種は分散に伴って多様性を失う傾向があるので、通常、最も高い多様性を示す地域が起源の場所だ。Savolainen博士はイヌゲノム、ミトコンドリアDNAをサンプルし、家畜化の時期を推定した。おそらく最初に狩猟採集民族が中国にコミュニティを築いた頃、11000年から14000年前あたりだ。

彼らは口輪をはめ、たぶん檻を作れる組織だった文化を持っていたのだろう。それはオオカミを扱うのに必要だ。中国南部ではイヌをたべる長い伝統がある。切った痕があるイヌの骨が遺跡で見つかっている。Savolainenは最初の人間の入植者のまわりでゴミ漁りを始めたとき家畜化の道を歩み始めたのだろうと述べた。理論はマサチューセッツのハンプシャーカレッジのイヌ生物学者Ray Coppingerによって提唱された。地域的な伝統を考えれば、とSavolainen博士は述べる。テーブルに供されるために飼い慣らされたのかもしれない、と。

このようにイヌはゴミと彼ら自身の肉によって人間の生活に取り込まれていったかもしれない。しかし彼らはすばやく、落ちぶれていない役割を引き受けるようになった。いったん家畜化されるとユーラシア大陸の東端から西まで急速に広がった。ほとんどの人はイヌを食べないため、他の理由で、おそらく番犬やそり引きのため急速に広まったのだろうとSavolainen博士は述べた。彼の報告は昆明動物研究所のJun-Feng Pangと書かれた。 Jun-Feng Pangは多くの中国犬のDNAを分析した。その研究は先週、Molecular Biology and Evolutionで発表された。

2002年にSavolainenは東アジアで家畜化されたと書いたが、その結論は先月、コーネル大学のチームから疑問を呈された。コーネルのチームは遺伝的多様性がアフリカの村のイヌで中国と同じくらい高いと述べた。Savolainenは新しいリポートでコーネルの計算に反論し、実際に中国のイヌの方が多様性が高いと主張した。コーネルチームのメンバーのAdam Boykoは今、Savolainenのチームが詳細な遺伝データからよりあり得そうな仮説を作ったが、まだ中国以外の第二の場所でも飼い慣らされて中国以外に広まったというような、他の説明が可能かもしれないと述べた。

国立癌研究所の遺伝学者Stephen O’Brienは南中国でのたった一度の家畜化が「かなり良い結論」だが、世界中のオオカミのより綿密なサンプリングによって強化できたと述べた。アメリカの研究者のチームはまさにSavolainenが調べたミトコンドリアDNAだけでなくイヌとオオカミのゲノムの異なる場所を認識できるいわゆるイヌチップを用いてイヌとオオカミの遺伝学研究を行っている。データはまだ公表されていないが、その一部は東アジア起源説を「全く支持しない」とO’Brienは述べた。O’Brienが「ゲノム考古学」と呼んだことを研究者が始めたためにイヌの起源論争が起きた。「それは新しい分野です。まさに今その方法を学んでいます。」

イヌや他の動物の家畜化は人間の過去と重要な関連があり、関心は根源的なものだ。「家畜化は本当に、文明が食料を集める家族より大きなコミュニティを組織するためのレバーだった」。イヌは疑いなく初期の人々に役立ったため、野火のように広まった。現在の証拠に基づけば、彼らは家畜化された最初の種だった。
-+-+-+-
ジャレド・ダイヤモンドか誰か忘れたけど、現代のイヌでさえたまには飼い主に噛みついて深刻な感染症を引き起こすことがあるのだから、オオカミを飼い慣らすのは利点ばかりではなかったはずだ、と述べていたように思う。しかし食用として拘束しつつ飼っていたのなら、より安全かもしれない。それ以前に小動物をの家畜化が行われていなければ不可能なように感じるけど。ドミトリ・ベリャーエフは40年でキツネの家畜化を達成したので、初期のイヌも案外早く家畜化されていたのかも。

世界中に広がったアリのコロニー

BBCニュースより。09/07/01
実際の類縁関係はどうなっているのか気になる。ごく最近分散した文字通り家族なのだろうか。近縁でも自分のと他のコロニーは区別しそうな気がするが。
-+-+-+-
一つのアリのメガコロニーが世界中に植民地を作ったと科学者が発見した。ヨーロッパ、アメリカ、日本に住む膨大な数のアルゼンチンアリは関係のあるコロニーに属しており、お互いに戦うことを拒否する。そのコロニーはこれまで知られているどんな昆虫のものよりも巨大かもしれず、そのスケールで人間のライバルとなるかもしれない。人々もまた自身のメガコロニーがくっつき合うことを無意識に支援する。

アルゼンチンアリ:Linepithema humileは南アメリカ原産だった。しかし人間は南極以外の全ての大陸に意図せずに分散させた。この持ち出されたアルゼンチンアリは大きなコロニーを作ることと、深刻な外来種として有名だ。それは在来の動物や穀物に被害を与える。

ヨーロッパでは一つの大きなコロニーが地中海沿岸に沿って6000キロメートルにまで伸びていると考えられている。アメリカではカリフォルニア沿岸にそって900キロメートル以上伸びているコロニーが”カリフォルニアのデカいの”として知られている。3つめの巨大なコロニーは日本の西海岸にある。

アリが普通は非常に領土に敏感な一方、スーパーコロニー内の個体はもし彼らが10キロから100キロ離れて暮らしているとしても互いに寛容だ。それぞれのスーパーコロニーは全く独立していると考えられていた。しかし現在、世界中の何億ものアルゼンチンアリが実は、全て単一の世界規模のメガコロニーに属しているように見える。

東京大学のエイリキ・スナムラに率いられた日本とスペインの研究者は、ヨーロッパ、アメリカ、日本に住むアルゼンチンアリが非常に類似した炭化水素によってできた体表上の化学物質を共有していることを突き止めた。そしてさらなる実験が昆虫の世界的な野望の大きさを明らかにした。研究チームはヨーロッパの主なスーパーコロニーと、それより小さなイベリア沿岸に住むカタロニア・スーパーコロニー、それからカリフォルニアと西日本、神戸のスーパーコロニーから野生のアリを選び出した。彼らはそして、異なるコロニーから選ばれた攻撃的な個体が他の個体にどう振る舞うかを見るために一対一で引き合わせた。より小さなコロニーからのアリはお互いに攻撃的だった。西日本のアリが神戸のアリと戦い、ヨーロッパの大コロニーのアリはイベリアのアリと仲良くしなかった。

1つの巨大な家族
しかしヨーロッパの大コロニー、カリフォルニアのコロニー、そして日本でもっとも大きなコロニーの出身者はまるで彼らが古い友人であるかのように振る舞った。これらのアリは互いに触角をこすり合い、決して攻撃的になったり避けようとはしなかった。つまり彼らは広大な海によって隔てられた別の大陸に住んでいるにもかかわらず、同じコロニー出身であるかのように振る舞った。

もっともあり得そうな説明は、これら3つのスーパーコロニーのアリが全て本当に家族で遺伝的に近縁だと言うことだと研究者は述べた。彼らは接触したとき体表上の化学物質によって互いを認識する。「この個体群の膨大な規模と類似しているのは人間の社会だけだ」と調査結果を報告した the journal Insect Sociauxで述べた。

しかし皮肉なことに、はじめにアリを世界中に運んでメガコロニーを作ったのはおそらく我々人間だ。そして3つの大陸からアリを持ち出すことで、メガコロニーは絶えず混ぜ合わされ続ける。研究者はこう書いた。「人間はこの巨大な非攻撃的なアリの個体群を作った。」

-+-+-+-