JUDGMENT DAY (1)

2007年11月13日にアメリカのPBSの科学番組NOVAで放映されたインテリジェントデザイン裁判のドキュメンタリー,「JUDGMENT DAY: INTELLIGENT DESIGN ON TRIAL」
親切なことに10分弱で区切ってトランスクリプトまで完備してあるので順番に訳していってみる.
さすがに動画そのものは張れない模様
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第一話:分裂した街
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番組のナレーターの台詞はこの色
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2004年10月、戦争がペンシルバニア州の小さな町ドーバーで起こりました。

ピーター・ジェニングス(ABCニュース):今日、ペンシルバニア地方の街の教師たちはアメリカで初めて、進化は唯一の理論ではないと生徒に教える事を要求されました。

ドーバーの教育委員会が高校の科学の授業でインテリジェントデザイン(以下ID)と呼ばれる論争的なテーマも教える事を義務づけた方針を通したことで、それは始まりました。チャールズ・ダーウィンが提唱したような自然のプロセスだけで進化したと考えるには生物の持つ多くの特徴は複雑すぎる、とIDの支持者は主張しました。その代わりに彼らはそれらの生物のいくつかの面が、完全な形で、いわゆる「インテリジェントデザイナー」によって作られたに違いないと主張します。そして推進団体はIDが進化論を打倒する力を持つ、大胆で新しい科学理論であると主張します。

ロバート・ミューズ(トマス・モア法律センター):証拠に基づいて--教典や権威ではなく--科学者が議論しており、それは明らかに科学の授業で教えられる妥当な科学です。

スティーブ・フラー(ワーウィック大学):それは、実際に、新しい考え方への探求の道を拓きます。

フィリップ・ジョンソン(カリフォルニア大学バークレー法律スクール):自然選択による進化が科学のドクトリン[教義/見解]なら、それを批判することは全く正当な科学の一部です。

ドーバーの教育委員会は科学教師に、学生に向かって進化論にはギャップが存在し、代替理論としてIDを提案する短い文を読み聞かせるよう要求しました。また声明は学生向けに作られたIDの教科書「パンダと人について」にも言及しました。しかし多くのドーバー市民と国中のほとんどの科学者はそれに激怒しました。彼らはIDを偽装した宗教に過ぎないと言い、進化に対する新たな戦線だと考えました。

ユージェニー・スコット:IDの目標はアメリカの社会を再びキリスト教化することです。

ケヴィン・パディアン:IDはまったく科学的な概念ではありません。科学のフィールドではありません。誰も積極的に研究していません。

ケネス・ミラー:それは私たちが意味する全て、「科学」と言ったときに理解していること全てに反しています。

戦いは友人と友人を、隣人と隣人を戦わせる段階に進みました。

ビル・バッキンガム:私が誰かの犬を撃ち殺したみたいでしたよ。つまり、あなたが信じられないような、感情の激突がありました。

ジョン・E・ジョーンズ III(連邦地方裁判所判事):それはコミュニティ内の内戦のようでした。間違いなくね。

それが終わる前に、この戦いは教育委員会を連邦裁判所に引き出しました。カメラを持ち込むことが許されなかったので、NOVAは進化とインテリジェントデザインのこの歴史的な対決の重要な場面を、法廷の記録から再現しました。それは現代生物学が白日の下に曝された6週間の裁判でした。そして予断を許さなかったのはドーバーの生物学の授業だけではありませんでした。アメリカの科学教育の未来、政教分離、そして科学的探求の本質そのものが裁判の中にありました。ドーバーでは宗教と進化についての議論は長いあいだ、個人的なものでした。

バーサ・スパー:私たちはたくさんの原理主義的な教会がある中に住んでいます。

レイ・ムマート(ドーバーの牧師):私は創造論に対して進化を信じることを子どもたちが教えられることをずっと好ましく思っていませんでした。

マリンダ・フォレイ:「最初に神は創造なさった…」私にとって知っている必要があるのはこれだけです。

州の南東部に位置し、州都からおよそ20マイル。2万人の市民と1ダース以上の教会と1つだけ高校がある、静かな田舎町です。トラブルの予兆を感じとった最初の1人はバーサ・スパーです。彼女は40年近くにわたってドーバー高校で化学を教えていました。2003年の春に学区の副区長から不安にさせるような通達を受けました。

バーサ:彼はある夕方、授業が終わった後、実際に私の教室に来て言いました。「バート、先に君に話しておいた方が良いと思う。時間の平等について話をしている教育委員がいる…50パーセントかどうかではなく…創造論について全く等しい時間をだ。このことを意識している必要があると思う」火ぶたが切って落ちた瞬間でした。

もう一人の科学教師ブライアン・リームもこれを聞きました。

ブライアン・リーム:そんなばかばかしいことは聞いたことがなかったので、それを聞いたときに彼を笑いましたよ。つまり、私が中学生だったときにはもう創造論は公的な教育と科学から追放されていたんです。

バーサ・スパーは教育委員の誰が進化と創造論を一緒に教えることに興味があるのか尋ねました。最近委員会に加わった地元のビジネスマン、アラン・ボンセルだと聞かされました。

アラン・ボンセル:私たち家族はここに住んでいてとても幸せでした。私たちの家族は100年間ドーバーに住んでいるんです。それでなにか…おかえしをしようと。それで私はドーバーを、つまり学区を、より良くする助けができると考えました。

ボンセルがドーバーの高校で進化が教えられることに疑問を持ったとき、バーサと生物の教師は彼に会うことに同意しました。

ボンセル:高校の科学授業で彼らが何を教え、何を教えていないかを確かめるために科学教師と会いました。

ジェニファー・ミラー(科学教師):その会合で創造論は本当に話題になりませんでした。「どのように進化を教えていますか?」という話ばかりで。彼は満足したようでした。彼は私たちが教えていることに納得しました。これで一件落着と思い、浮かれていました。

ロバート・エシュバック:思い返してみれば、彼はその時私たちに示していました。進化が様々なことの原因だというのは、彼の信念と違うと言うことを。

ミラー:そうね。その通りだわ。

エシュバック:彼は地球が4000歳とそれほど違わないと感じていました。

ボンセル:私は個人的にダーウィンの進化の理論を信じていません。私は創造論者です。でもそれにはあまりこだわりません。

ボンセルのような科学の多くを拒絶する創造論者は聖書を文字通り解釈することを好みます。彼らは地球が1万歳以下であり、神が人間を含む全ての物を完全な形で6日間で作ったと信じています。大部分の主流派宗教は何十年か前に進化と和解しましたが、多くの創造論者はまだ進化を彼らの信仰と反する物と見なします。創造論と進化は法廷を知らないわけではありません。彼らの法廷闘争は1925年の有名なスコープス・モンキー裁判まで遡ります。

-+-+-(『風の遺産』のクリップ)
バートラム・ケイツ役/ディック・ヨーク:昨日私が言ったように、ダーウィンの理論は下等な生物から人間が進化したと述べています。

このケースでは、ジョン・スコープスという名のテネシーの高校の科学教師が、進化を教えたことで州法に違反したとして訴えられました。

マシュー・ハリソン・ブラディ役/フレデリック・マーチ:これによって君を逮捕する。

伝説的な弁護士クレランス・ダロウとの法廷対決は、古典映画『風の遺産』で大まかに描かれています。

ヘンリー・ドルモンド役/スペンサー・トレイシー:進化の理論の正確な意味を陪審の皆さんに説明できるように、弁護側はケラー博士を証人として呼びたいのですが。

そして3度大統領候補となったウィリアム・ジェニングス・ブライアン。

検察官トム・ダベンポート役/エリオット・リード:シラーズさん、あなたに息子がいて、その可愛い子どもが学校から帰ってきて不信心者の教師について話したらあなたはどう思いますか…

スペンサー・トレイシー:異議あり!

スコープスは進化を教えたことで有罪となり、100ドルの罰金に処されました。しかし評決はその後30年間の国中の科学教育に影響を与えます。
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ユージェニー・スコット:スコープス裁判の後、教科書業者は進化が論争の的になるだけだと判断しました。そして静かに教科書から削りました。その時代にはほとんどの場合、教科書がカリキュラムでした。だから教科書にないものは教えられませんでした。

スコープス裁判の影響は1960年代まで続きました。その後、業者が教科書の中に進化を滑り込ませると、創造論者は彼らのアイディアを一緒に科学教育で教えるために戦いを始めました。

その後30年にわたって双方は裁判所で争い続けました。1987年に戦いは頂点に達しました。最高裁は公立学校の科学の授業で創造論を教えることは、合衆国憲法が定める政教分離条項に反すると判断しました。それはいかなる種類の宗教も、政府が推進したり禁止することを妨げます。今日まで、アメリカ合衆国のいかなる公立学校も科学の授業として創造論を教えれば学生の憲法上の権利を侵害することになります。

退職した元警官で委員の一人であるビル・バッキンガムはアラン・ボンセルによってカリキュラム委員長に指名されました。彼の仕事は新しく用いられる全ての教科書をチェックすることでした。

9学年の生物の教師はケネス・ミラーとジョー・レヴィンによって書かれた広く用いられている教科書を請求しました。しかしバッキンガムはそれを気に入りませんでした。

ビル・バッキンガム:教師が望んだ生物の本を見てみると、ダーウィニズムが混じっていることに気付きました。私はダーウィンの理論に言及した例を12から15,リストにあげました。全てのページにあるというわけではありませんでしたが、2,3章ごとにありました。それ以外のいかなる理論もありませんでした。

2004年夏の教育委員の会議で、バッキンガムはその本を承認することに不快感を表明しました。委員会は教科書の購入を保留しました。

ではバッキンガムが反対したチャールズ・ダーウィンの理論はどんなものだったのでしょうか?
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第二話へ続く

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